炎上後の行動を教えるべきネットリテラシー教育
ネットリテラシー教育を行ううえで、炎上が起きないようにすることはもちろん重要です。しかしそれ以上に重要なのは、何かしら炎上が起きてしまった後のネット上でのたちふるまいです。なぜなら炎上が起きた後は、それ以前に比べ否が応にも世間からの注目が集まっているからです。そういった時は普段であれば何でもないことであっても批判の対象になってしまいます。そのため特にSNSを利用している場合は細心の注意を払う必要があるのです。
炎上をさらに激しくしてしまうちょっとした油断
お客様対応で問題を起こす、商品に異物が混入していたなど企業がネット上で炎上を起こしてしまうことはもはや日常茶飯事となっています。そしてネットの恐ろしいところは、そうした炎上を起こした張本人はもちろん、その企業で働くほかの社員の個人情報をもいとも簡単に探し出してしまうことです。
個人情報の収集場所となるのはTwitter、FacebookといったSNSです。これらに過去に投稿された内容を収集し個人を特定していきます。その特定能力はプロの探偵でさえも驚くほどで、部屋で動画を撮影した際に本棚にあった教科書と窓からの光の入り具合などから住んでいる地域を割り出したという例もあります。
こういったことを簡単にできてしまう人がネット上には少なからず存在するということは、ひとたび炎上を起こせば過去の投稿や炎上発生後の投稿を、見つけられてしまう可能性が高くなるということです。そして炎上発生後に他人を装って批判的な投稿に対して、それを揶揄するような投稿を特定されてしまい、さらに炎上が激しくなるといったことも起こってしまいます。
自ら実名を明かしてしまうミスを起こすケースも
炎上を起こし世間から注目を集めている時のたちふるまいは、普段以上にしっかりする必要があります。多くのお客様に迷惑をかけるような問題を起こした直後に、テーマパークなどで笑顔で遊んでいる写真はもちろんテキストであってもそれを投稿すればどうなるでしょう?仮に当事者でないとしても同じ会社で働くものとして、お客様の神経を逆なですることにもなりかねません。
社員として投稿しているのでなければ問題はない。匿名サービスだから知らない人には分からないといったことはネット上においては通用しないことは前項でも明らかです。さらにネット上で犯しやすいミスとして、気づかないうちに自ら実名を明かしてしまっているといったケースもあるのです。
たとえばYahoo!ニュースにはコメント欄があり、そのニュースに対してコメントを投稿できます。通常、Yahoo!のアカウントであれば匿名でのコメントも可能ですが、Yahoo!ニュースはFacebookアカウントとの連携も可能です。そのためFacebookのアカウントでコメントを書けば実名が表示されることになってしまいます。
ほかにもGoogleのアカウントでGoogle+にYoutubeの動画をコメント付でシェアした場合、公開設定を一般公開にしていると、Googleアカウントに登録している実名でYoutubeのコメント欄にも同じコメントが投稿されることになります。どちらも真面目なコメントであればまだしも、ふざけていたり差別的なことをコメントしていたとすれば、それもまた批判の対象となり、ひいては経営の危機にさらされることにもつながります。
炎上を起こした時こそネット上での行動は慎重に
公の場では、きっちりと謝罪をしたものの、裏では舌を出しているといった行動は決して許されることではありません。そして現在のネット社会では、さまざまな方法で、または自分のミスでそれがあっという間には白日の元にさらされてしまいます。
炎上を起こす起こさないに関わらず、批判を浴びるようなたちふるまいをしないということは当たり前のことです。しかし炎上を起こした後は、起こす前以上に慎重な行動が求められます。そのためには仮に問題を起こした社員と自分はまったく関係がないとしても、同じ企業で働いているという当事者意識を持つこと。そして匿名サービスだから何をしてもいいといった考えを捨てることです。そのうえで一刻も早く自社の信頼を取り戻すための行動をとることが、炎上を起こした後のネットでの立ち居振る舞いがもっとも重要なことであるといえます。