大きなトラブルに発展しかねないネットの炎上

TwitterやFacebook、ブログなど老若男女問わず多くの人がSNSやインターネットのサービスを楽しむ時代になりました。しかし、それと同時に”ネットトラブル“に巻き込まれる危険性も増えてきています。不用意にアップしたSNSの投稿がもとで会社や社会全体を巻き込む大トラブルにも発展するケースも少なくありません。そうした事態を避けるために社会人としての自覚を持って行動することはもちろん大切ですが、炎上した際の対策を学んでおくことも同様に大切です。

企業のアカウントが炎上してしまう原因とは

近年、ネットに投稿した情報を発端にトラブルが発生したり、社会的な問題にまで発展したりするケースが増えてきました。以前までは芸能人ら名前が知れている人が炎上の被害に遭うことが多かったのですが、近年では一般人の方でも槍玉に挙げられるケースが増えてきているので誰もが注意が必要です。たとえ個人の発言として投稿した内容でも、会社や所属する組織まで批判の対象になることも珍しくありません。

特に企業がSNSなどのアカウントを保持している場合は、さまざまな原因によって炎上する可能性があります。企業側からの発信だけでなく、一般の方のコメントなどの発信に関しても気を配ることが大切です。炎上を防ぐためには、火種になりそうな芽を早めに摘み、対策することが不可欠だと言えます。以下のような炎上の原因になりそうな発信やコメントがあった場合は、担当者は迅速に対応しなければなりません。

【企業における炎上が起こる場合の原因】

  • 漏えいが許されない企業の機密情報や顧客情報を発信する
  • 従業員やアルバイトが違法行為をSNS上で公開してしまう
  • 企業アカウントで呼んだ人が不快に思う不適切な発言をしてしまう
  • 顧客に商品やサービスに対する批判やクレームをコメントされる
  • 誹謗中傷や言われなき批判コメントをそのまま放置してしまう

上記のように企業のアカウントが炎上する原因は不備があったり、管理が行き届いていなかったりする場合に発生する傾向にあります。社内で教育を徹底して情報発信を慎重に行うことはもちろんですが、自社が持つアカウントの管理を怠らないことも大切です。不可抗力的に批判の対象になってしまうこともあるので、ネット上の自社の情報にも常に注意を払いましょう。知らないところで2ちゃんねるなどの掲示板に悪評が書き込まれることもあるので、情報に対して敏感であることも重要なファクターです。

万が一炎上してしまった際にとるべき対策

まずトラブルが発生した際の対応として、一番重要なことは早期検知です。ネットでのトラブルは一瞬で拡散してしまいます。被害を最小限に留めるためには、できる限り早くトラブルの原因を特定し、専門業者に対応を依頼するなどの迅速な対策が求められます。そのためには定期的に自社の「企業名」「商品名」「サービス名」で検索し、ネット上をパトロールすることも大切です。キーワード登録することで自動的にニュース、投稿を収集しメールで連絡をしてくれるGoogleのアラート機能を利用するのも一つの手でしょう。

また、トラブルで炎上してしまった際は、過熱する世間の声を鎮めることも大切ですが、まずはその原因が何なのか、どうしてそのような事態に陥ったのかを明確にすることに注力しましょう。顧客やユーザーへの早期対応が重要なのは当然ですが、炎上原因などの事実関係がはっきりしないまま曖昧な対応をすることで、かえって炎上を広めてしまうことにもなりかねません。まずはどんな対応をすべきかを見極める意味でも、きちんと事態の全容を把握するようにしましょう。

事実確認を行い、炎上の原因が自社にあった場合は、即座に真摯に謝罪することが大切です。その際は単に謝罪するのではなく、トラブルが起きた原因と経緯、責任の所在、再発防止策をしっかりと明言することが求められます。少しでも曖昧であったり、責任回避したりするような弁明があると火に油を注ぐ結果になってしまうかもしれません。

炎上の火種になるようなことをしないことが大切

近年、炎上のきっかけとなることが多いTwitterやFacebookを筆頭とするSNSですが、利用者の数はずっと右肩上がりを継続しています。ICT総研の「2016年度SNS利用動向に関する調査」によると、日本国内のSNSアクティブユーザーは2015年末で6,488万人であり、2016年末にはさらに増えて6,872万人に到達すると予想しています。

これだけ多くの方がSNSを利用することなったことで、トラブルが発生した際の拡散スピードも格段に上がっています。そして、トラブル内容を目にする人の数が増えたということは、単純に一回の炎上であっても影響力が大きく、企業の経営の命とりになってしまう可能性もあるのです。ネット社会化がさらに加速している昨今においては、SNSの投稿一つにおいても細心の注意を払わなければいけません。

また、以前は企業のSNS活用において、トラブルを起こさないよう気をつけるのはWeb担当者だけでした。しかし、ここまでSNSが普及した現在、注意が必要な対象はSNSを利用するすべての従業員にまで範囲が広がります。そのため、企業としては無意味な炎上を起こさないためにも、プライベートであっても企業としてルールを明確にし、すべての従業員に教育を徹底することが不可欠です。SNSは”楽しい情報共有ツール“でありながら、悪い評判を広めてしまう”悪魔のツール“でもあるということを従業員全員が認識する必要があります。

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