謝罪の仕方によりアンチがファンになることも
企業がSNSで問題発言をしたり、従業員が起こした不祥事をSNSで拡散されてしまったりすることによりネット上で炎上し、最終的に社長や取締役が謝罪をするといったニュースが後を絶ちません。しかし、同じような不祥事で謝罪したにもかかわらず、ある企業は誹謗中傷がひどくなったのに対し、逆に多くの方から応援されるようになるたこともあります。同じ不祥事なのになぜ、このような差が生まれるのでしょうか? その真相は謝罪の仕方にあります。今回はSNSでの炎上を鎮火させる上手な謝罪方法についてご紹介します。
ちょっとした行き違いや誤解が瞬く間に炎上案件に
SNS、特にTwitterなど短文の投稿を簡単にできるサービスでは、自分は何の気なしに発信した言葉であっても、まったく別の意味に捉えられてしまうことも少なくありません。ネット上では誤解が新たな誤解を生み、拡大解釈されつつ拡散されるので、自身が投稿の内容に問題があったと気づいたときには、すでに後の祭りということも珍しくないのです。
そもそもTwitterは気軽なコミュニケーションを取るには非常に便利なサービスですが、深いやり取りには向いていません。そのため何か不祥事があった際、企業アカウントがフォロワーや外部からのクレームや中傷に対して、反論はもちろん少しでも言い訳がましいことを返せば瞬く間に炎上してしまいます。火に油を注ぐことがないように個人とのメッセージのやり取りはなるべく控えるようにしましょう。
さらに炎上したことでいきなり何もなしに投稿を止めてアカウントを閉鎖する、もしくは謝罪もせずに責任転嫁に取られる投稿を続けてしまうと炎上はさらに大きく広がってしまいます。燃えさかる炎をより勢いづけるような火に油を注ぐようなまねは絶対にやめましょう。そうした行為はネット民の格好の餌食となってしまうのです。
SNSでの謝罪でもっとも重要なポイントは即時性と透明性
SNS上で炎上が起きてしまったら、まずはすぐにフォロワーや関係者、そして当事者に対し迷惑をかけたことを謝罪しましょう。ここで謝罪までに時間をかければかけるほど炎上は大きくなります。まずは騒動に対して謝ることで誠意を見せたうえで、その後の対応については随時事実がわかり次第、報告するようにしましょう。
SNS上で炎上が拡大していく大きな原因は対応が遅いこと、そして反省している様子がなく誠意が感じられないことです。SNSでの謝罪はスピードがもっとも重要ですが、それと同時に透明性も求められます。何の経過説明もなくいきなり謝罪し、それですべてを終わらせてしまおうとすると逆に反感を買うことにつながるかもしれません。
まとめるとまずは迅速な対応が第一で、その後に事実確認ができ次第しっかりと経緯を説明することが大切です。つまり、SNSでの謝罪においては「即時性」と「透明性」の2点を意識して動くことがポイントとなります。どちらか一方が欠けているとより事態が悪化してしまうケースがほとんどなので、ポイントを押さえてしっかりと謝罪しましょう。
事前マニュアルを作る際には過去の炎上案件を参考に
どんなに人気のある優良企業であってもアンチは必ず存在します。そして、それは大企業に限ったことではありません。中小企業であっても他人事ではなく、「ちょっとした対応が悪かった」「購入した商品が自分の意にそぐわなかった」などの理由で何か不祥事があった際に「炎上させてやろう」と考える危険人物がいる可能性は十分にあります。
また、SNS上での謝罪で重要な即時性と透明性のポイントを押さえるためには、事前にマニュアルを作成しておくことがおすすめです。マニュアルはこれまで多くの企業が炎上をした際にどのように謝罪を行ったかを参考にして、より現実に即したものにする必要があります。炎上にはさまざまな種類があり、それぞれに対して最適な対処法は変わってきます。そのため過去のあらゆる炎上案件を分析し、自分に火の粉が降りかかった際の対応をきっちりとシミュレーションしておくことが大切です。
もちろん心から謝罪する気持ちで対応することが大切ではありますが、いざ炎上が起きた際は冷静な判断ができない不測の事態に陥ることも十分に考えられます。だからこそ、何か問題が起きてから慌てて対策するのではなく、何もトラブルが発生していないときからマニュアルを作成し、対応方法を想定しておくことが重要なのです。