デジタルタトゥーという言葉をご存知ですか?

悪評などがネット上に書き込まれ、ひとたび拡散して独り歩きを始めると“後の祭り”です。専門業者に削除する必要があり、もはや自身の力だけでなんとかできる問題ではありません。このようにネット上に掲載された消し去ることができない書き込みを身体に刻むタトゥーにたとえて「デジタルタトゥー」と呼びます。軽はずみな投稿や書き込みによって刻印されたこのデジタルタトゥーは、最悪の場合、社会的にも心理的にも一生消えない傷になることがあるので要注意です。

タトゥーのように消えないネット上の情報

近年、ネット発のお騒がせ事件がテレビやインターネットなどで取り上げられ話題になることが増えてきています。たとえば、飲食店のアルバイト店員が自ら冷蔵庫の中に入った不謹慎画像をSNSにアップするといった一件。そうした投稿がTwitterやFacebookなどに拡散されることで世の中に広がり、店が倒産したり、書類送検されたりするケースは何も珍しいことではなくなりつつあります。

そうした職場などでのこうした悪ふざけが今、当事者はもちろんのこと、企業や店の信用も著しく失墜させたり、裁判沙汰になったりと深刻な社会問題にまで発展しています。一度情報が拡散され、報道に火がついてしまうと“もう手遅れ”。個人の不謹慎な行動が大きな代償となって周囲に多大なる迷惑をかけます。場合によっては本人だけではまかないきれないほどの莫大な損害が生じるケースもあるのです。

もちろん、そうしたお騒がせ事件の当事者には社会的制裁が下されますが、一般的な事件などと異なり、ネットで発覚した事件は話題の熱がなかなか収まらず、鎮火に時間がかかります。そして、恐ろしい“ネット民による制裁”を受けることになってしまうのです。投稿した画像や動画からは発信元や個人、勤務先が特定できることが多く、こうした不都合な情報は後々まで残り続けます。これがネット上から消えない情報「デジタルタトゥー」の本質なのです。

ネット上で集中砲火の制裁を受ける恐怖

デジタルタトゥーの恐ろしさを思い起こさせる事件は近年、増加傾向にあります。飲食店で調理器具を天ぷらのように揚げて「新メニューだ」とSNSに投稿した一件では、すぐさま情報が拡散して「けしからん」とその行為に対し非難の書き込みが殺到。さらにこれを閲覧した他の利用者が警察に通報したため、発信者が逮捕起訴されるに至っています。

ほかにも、女子高生が線路に立ち入った悪ふざけの動画をツイッターに投稿した際には、投稿された動画に映っていた制服で学校が判明。当事者たちは往来妨害容疑で事情を受けた腕うえで書類送検となりました。また、ホテルの従業員が宿泊した著名人の情報をネットにアップして“炎上”してことが発覚。個人のプライバシーを侵害したことに対してホテルが謝罪するといった事態を招いたことも一度や二度ではありません。

いずれにしても、当事者は軽はずみな投稿のつもりだったようですが、他の閲覧者によって非難や攻撃の書き込みを誘発し、それが炎上したことで最終的には学校や会社にも多大なる迷惑をかける事件にまで発展した典型的な例です。単なる身内の悪ふざけであれば、こっぴどく怒られるだけで済んだ場合でも、ネットに証拠がずっと残ってしまうと“個人の汚点”として一生残ることになってしまいます。

SNSでの軽はずみな投稿で人生崩壊も

因果応報という言葉があるように、悪い行いをすれば必ずその報いがあるものです。SNSに情報を掲載してしまった発信者は立ち直れないほどの制裁を受けることになります。これがデジタルタトゥーの真の恐ろしさです。前述のように、自分が投稿した情報や画像、動画は引用、コピー&ペーストなどで次々に拡散されるので、たとえ事件が決着した後でも多くの目に晒され続けることになります。情報がネット上から消えないために何度も話題を掘り返され、その度に問題の画像や動画が取り沙汰されます。

ただ、閲覧されてバカにされるだけならまだマシですが、近年では多くの企業が求人の際に、応募者の投稿情報をチェックするようになってきました。従って就職希望者に一つでも不審な点があれば採用は見送られます。また、結婚をしようと思っても、婚約者の家族が興信所などを使って身上調査などを実施した場合、やはりネット上で不都合な情報が見つかればそれがもとで破談になるでしょう。悪評が広まることで考えられる被害想定で紹介したように、軽はずみな投稿の代償は計り知れません。

このようにデジタルタトゥーは長期にわたって発信者を苦しめ続けることになります。SNSや掲示板を楽しく利用するためには、ネット投稿に潜むリスクをよく認識し、注意を払うことが大切です。たった一度の過ちが人生崩壊に導くのがデジタルタトゥーの恐ろしいところ――消えることのない心の痛みを負うくらいなら、初めから慎重を期してインターネットを利用すべきなのです。

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