2013年4月、1人の女性がネットなりすまし痴漢の被害に遭っていたことがニュースとなりました。大きなニュースとして公表されたのは、なりすましの犯人が国税局の職員だったことも関係しています。ここでは、ネットなりすまし痴漢の被害に遭った場合の対処法について、お話します。

ネットなりすまし痴漢の被害

世の中には変わった趣味を持つ人がいるもので、インターネットの普及によって顕著になった問題もあります。その1つが、痴漢サイト。痴漢願望のある人が、不特定多数の人に痴漢をしてほしいと書き込みをするサイトで、匿名を使用できるのが人気のポイント。通常は犯罪となる痴漢行為でも、合意の上であればいいのではないかと考える人達が集まっているサイトなのです。

痴漢サイトが存続する中で発生したのが、ネットなりすまし痴漢です。ニュースになった事件では、女性になりすました男性が、痴漢サイトで書き込みをしたのが発端。女性の服装など、ルックスについて、早く痴漢をしてほしいなどの書き込みを繰り返し、これを見た別の男性複数名が、実際に痴漢犯行に至ったのです。数十分にわたり、被害を受けた女性の心の傷は計り知れません。犯人の1人は現行犯逮捕されたものの、もう1人は逃走し、現在も捕まっていないというのですから、不安で電車にも乗れない日々を送っている可能性があります。

痴漢だけで済まない影響

痴漢自体の被害も、記憶から抹消されず、トラウマとなってしまうことがあります。現実には、それだけで済まない問題も起こり得ます。事件の発端は、ネットの痴漢サイトへの書き込みです。痴漢サイトという、限られた人のみが利用するサイトであっても、検索をすれば書き込まれた内容は検出可能。削除しない限り、その書き込みはいつまでも残ってしまいます。ネットなりすまし痴漢事件としてニュースになり、注目を浴びた結果、誰が被害に遭ったのかを特定しようとする人まで出現しかねません。被害者が特定されてネット上で噂になれば、たちまちのうちに拡散されてしまう恐れがあります。早い段階で書き込みを削除しなければ、被害は広がる一方なのです。

そもそも、痴漢サイトに書き込みをされるだけで、不特定多数の人に狙われる可能性があります。被害に遭うまで本人は気付かないかもしれませんが、後で事実が判明したときの恐ろしさはひとしおです。ニュースにならないまでも、痴漢サイトに書き込みをされるなど、あまりにも人権を無視された行為だといってよいでしょう。痴漢行為に至った人、興味が湧いた人に限らず、面白半分にこれらの過程を追う人もいます。被害者が人間不信になっても不思議ではなく、結婚などに影響が出る懸念すら出てきます。

女性になりすました犯人の追跡

痴漢サイトで女性になりすました犯人の追跡は、被害者の女性が痴漢被害を訴えたことから、すでに警察が捜査を始めていました。痴漢行為で逮捕された犯人が、痴漢サイトを利用したことを自供したためです。警察では、痴漢サイトのサーバーがアメリカにあることを突き止め、データの照合をするなどの捜査を継続。書き込みをした犯人が逮捕されたのは、本人が警察に名乗り出たからです。その時点では、書き込みに利用した携帯電話の履歴は消されていました。通勤時に見かける女性になりすまし、痴漢を呼び掛ける書き込みをしたことを自供した犯人。痴漢行為をした男性とは面識がなく、被害者だけでなく、世の女性を震撼とさせたはずです。国税局に勤めていた犯人が、職場でどのような処分を受けたかは定かではありませんが、痴漢サイト自体は現在も存在。今後も、似たような事件が起こらないとは限らないのです。

痴漢サイトへの書き込みを削除するには

痴漢サイトへのなりすまし書き込みを予防する対策は、難しいところです。万が一、被害に遭ってしまった場合は、サイト管理者に削除依頼をする必要があります。なりすましをした犯人、痴漢行為に至った犯人が逮捕されても、イコール、書き込みが削除されることにはなりません。放置したままでは、書き込みが他のサイトやSNSに拡散されてしまう恐れがあります。もちろん、別の人が見て興味を持ち、なりすまされた人のルックスに近い人が犯行に遭うかもしれません。

被害に遭った本人にとって心配なのは、書き込みが拡散されてしまうこと。さらなる痴漢被害に脅えるのも我慢なりませんが、痴漢被害の影響は精神的苦痛が大きく伴うことにもあるのです。少しでも早く痴漢サイトへの書き込みを削除することによって、さらなる精神的苦痛につながりかねない被害を食い止めることができます。そのためには、痴漢サイト管理者への削除依頼に頼るだけでは不十分です。

ネット痴漢が拡散してしまうとプライバシーが侵害されてしまいます。しかし、なかなか手が打てない痴漢サイトへの対処は個人レベルでは限界があるはずです。もし迅速に対処したい場合は当社までご相談ください。

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