文章や写真、イラストなど、ある人が創作したものには自動的に著作権が発生します。このような著作物を本人の許可なしに無断で利用すると、著作権侵害となるのです。

しかし、残念ながらインターネット上には他人の著作物を勝手に使用して自分のサイトを制作している人たちが数多くいるのが現状です。
著作権侵害は立派な犯罪行為です。もし著作権を所有する人が告訴すれば、処罰することもできます。法人が著作権を侵害した場合にいたっては、3億円以下の罰金となるほどなのです。

著作権法では、私的に利用するために限っては複製を許されていることもあります。しかし、ブログやSNSで他人に見せるために使用すれば私的な利用とはみなされません。営利目的がなくても、著作権侵害となります。

ネット上には盗用サイトがあふれている

インターネットが普及して、一般的に使用されるようになるにつれ、コンテンツを制作する会社や個人が一気に増えました。
なかには、いかにコストと手間をかけずに利益を得ようかと考えて他人のサイトから記事をコピペするものも多くいます。

コピペとは、文章をコピーしてそのまま貼りつける行為のこと、これは、完全に複製です。語尾に変化をつけるなどして多少の手を加えたとしても、複製と判断されます。
特に文章には、執筆者の思いや個性が強く反映されるものですから、それが残っている限りは「翻案」という著作権侵害行為のひとつとなります。

著作権侵害をされた場合には

ネット上で他のサイトの記事から一部を引用する場合には、引用していることを明らかにしたうえでサイト名とURLを記載しなければなりません。
実は引用そのものは、条件さえきちんと満たしていれば引用元に無断で行っても問題ないのです。

ところが、あたかも自分の記事や画像のように掲載してしまうのが問題です。
もし自分の大切な著作物が使われているのを見つけたら、必ず証拠を残しておいてください。
そのページをキャプチャ保存するかプリントアウトしておきましょう。
法的手段にでる際にも、こうした証拠は有効となります。

コンテンツの盗用による影響

記事などを盗まれてしまうと、グーグルなどの検索結果の表示にも影響します。
検索エンジンの主流となっているグーグルでは、検索結果が表示される順位を決定するために法則(アルゴリズム)を定めています。これは、価値のあるコンテンツを優先的に提供するためのものです。

そのなかのひとつに、重複コンテンツや類似コンテンツにはペナルティを設けるような仕組みがあります。つまり、コピペしてつくられたであろうサイトは価値がないと考えているのです。
本来ならば、コピペしたほうのサイトの順位のみが下がるべきなのですが、被害を受けたもともとの記事も同様に検索順位が下がってしまうことがあります。

サイトを運営するうえで、多くの人の目にとまる検索結果の上位表示はとても重要なことです。財産である著作物を盗まれたうえに、検索結果にも悪影響を及ぼされる可能性があることも知っておきましょう。

自分の著作物が盗用されていないか調べる方法

このような被害を最小限に抑えるためには、自分の著作物を無断で使用しているサイトがないか積極的にチェックする必要があります。

たとえば、調べたい記事のタイトルや書きだしの数十文字を検索にかけてみましょう。そこから無断転載しているサイトを探し出すことができるはずです。
もしかしたら、同じような記事がずらりと表示されるかもしれません。

画像の場合には、ALTタグでつけているキーワードを使って画像検索してみましょう。
良質な画像を無料で手に入れるのは難しいため、意外と多く盗用されているものです。特に自分で撮りに行くことのできない旅行関係などの画像が狙われる傾向があります。
ALTタグを変えていると見つからないので、画像のイメージを表す単語を使って画像検索をしてみることもおすすめします。

著作権侵害をしているサイトには削除申請を

著作権を侵害されているのに、そのまま放置しておいてはいけません。
発見次第、そのサイトの運営者に削除を依頼しましょう。

1つの例として、NAVERまとめでの無断転載(権利侵害)に対する削除依頼方法をご紹介します。

NAVERまとめとは

NAVERまとめには著作権侵害にあたる無断転載が頻繁にみられ、大きな問題になっています。
韓国のIT企業の子会社であるLINE株式会社が運営するキュレーションメディア「NAVERまとめ」は、だれでも無料で登録でき、匿名でまとめサイトを作成できるようになっています。
閲覧された数によって作成者が報酬を受け取れる独自のアフィリエイトプログラムを採用しているので、副業やお小遣い稼ぎとして利用している人が多いでしょう。

NAVERまとめの問題点

他のサイトに書かれている記事や画像を盗用して、無断で転載しているユーザーが多いのが問題となっています。
ところが、NAVERまとめではLINE株式会社が提供しているシステムを利用してユーザーが個人の判断により記事を作成しているとのこと。つまり、コンテンツをつくる土台を用意しているだけで、無断転載や著作権侵害などの対策は事実上行っていないのです。

このようにNAVERまとめではユーザーが好き勝手できる状態になってしまっており、報酬を稼ぐためだけを考えて記事を大量生産しているアフィリエイターも集まっています。記事や画像を盗用すれば、簡単に記事を作成できるというわけです。

通常は、参考にしたサイト名やURLを記載してリンクを貼らなければなりません。しかし、NAVERまとめには、そのような配慮すら行っていないユーザーが数多く見受けられるのです。
LINE株式会社もそのようなユーザーを放置しているので、無断転載をし放題というのがNAVERまとめの現状と考えてよいでしょう。

NAVERまとめに無断で使用された場合

それでは、自分の書いた記事や掲載した画像がなんの断りもなく勝手にNAVERまとめで使用されていたことがわかったら、どうしたらいいのでしょうか。

実は、NAVERまとめには権利侵害や著作権に関する削除申請のできる専用のフォームが用意されています。
ただし、このフォームの場所がすぐに見つけられないという声も多く聞かれます。
そして、手続きをするために該当するページを印刷したものに削除申請する理由を添えて送らなければなりません。その際に、申請者の氏名や住所、身分証明書などの提示を要求される場合もあります。
さらに、被害を受けた側のサイトに以前は「「このページ内の画像をNAVERまとめに転載することを禁止します」との文言を一時的にではありますが掲載するのが条件となっていました。さすがにこれは常識では考えられないということで、現在ではLINE株式会社が指定してきた「問い合わせ番号」を記載するように変更しています。
LINE株式会社は権利者本人であることを確認するために必要と説明していますが、このような手間をとらせて申請をあきらめさせるのが狙いではないかと思われても仕方ないでしょう。

このような面倒な手続きを経ても、削除に応じてくれるとは限りません。
マニュアル的な対応をくり返されるうちに、申請をあきらめてしまう人も多いようです。

NAVERまとめに限らず、削除面倒だからといって、そのまま放っておくわけにはいきません。
サイトの運営者が不明な場合にも、個人を特定できる方法はあるので決してあきらめないでください。
自分が苦労して作り上げた大切な著作物が無断で使われている場合には、個人で行動を起こすよりも、このようなケースを専門に扱っている当社にご相談したほうが早めに解決できるでしょう。

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