当然となった企業と従業員間での秘密保持契約書

企業の情報漏えい問題がニュースなどで大きく取りざたされることが珍しくなくなっています。通常、企業に入社した際、雇用契約に基づき就業規則によって秘密保持義務が発生します。しかし昨今の情報漏えいリスクを鑑みて、企業と社員が就業規則とは別に秘密保持契約を結ぶ企業が増えています。

この秘密保持契約で考えておかなければならない点として、退職後はどうするかという問題があります。基本的に秘密保持契約は雇用関係の元に成り立っているため、退職してしまえばその前提がなくなってしまいます。しかし退職後に競合他社に転職する、顧客情報を持ち出すといったことは十分に考慮する必要があります。そこで今回は退職後でも秘密保持契約を有効とできるのかについてご説明します。

退職後の情報漏えいリスクを防ぐ2つの方法

退職などにより企業との雇用関係がなくなれば、秘密保持契約の効力も同時に消えてしまいます。在職中は秘密保持契約により、社員が情報漏えいなどを起こした場合、損害賠償請求などを起こすこともできます。しかし秘密保持契約の効力が切れた退職後に、競合他社に顧客情報を持ち込むなどがあれば、企業は大きな損害を受ける可能性もあります。企業としてこれを防ぐ術はないのでしょうか?

退職後の情報漏えいリスクを防ぐには、2つの方法が考えられます。1つは就業規則で退職後の秘密保持の関しての規定を行うこと。そしてもう一つは退職時に改めて秘密保持契約書を交わすことです。これにより、社員が退職後に情報漏えいを犯したとしても、企業は在職時と同様に損害賠償請求を行うことができます。

退職後の秘密保持契約の問題点

就業規則による縛りと秘密保持契約書による縛り。どちらの方法であっても、退職後の社員による自社の情報漏えいを防ぐには一定の効力を持ちます。ただしどちらの方法を取るにしても問題点はあります。1つは憲法により職業選択の自由が保障されているため、就業規則や秘密保持契約書で競合他社への転職を禁止条項は必ずしも効力を発揮するとは限らないことです。取締役や常務といった役職者でない限り、競合他社への転職を禁止することは難しいでしょう。

そしてもう1つは退職後の秘密保持契約の期限です。企業側としては無期限としたいところですが、無期限としてしまうと場合によっては契約自体が無効となることもあります。一般的には退職後、2~5年が妥当だと言われていますので、それぞれの企業の状況に応じた対応が必要となります。

情報漏えいリスクの軽減のための秘密保持契約

厚生労働省が発表した平成25年2月の「平成24年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況」によると、平成24年の一般労働者の平均勤続年数は男性で13.2年、女性で8.9年となっています。この結果を見ても多くの社員が就職から定年までを1つの会社で過ごすことはまれであることがわかります。つまり企業は情報漏えいリスク軽減のためには、在職中だけではなく、退職後の情報漏えいに関しても何らかの対策を講じなくてはならないということです。

いくつかの問題点はあるものの、就業規則によって規定をする。秘密保持契約書を改めて締結し、誓約書の提出を求めるといったことは、必ず行うことをおすすめします。

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