犯罪歴が残ることでいつまでも再出発が困難に

現在、多くの企業は新卒、中途に関わらず採用活動において、応募者の情報をネットで検索しています。TwitterやFacebookでの投稿はもちろん、検索エンジンで応募者の名前を検索し、過去に逮捕、前科など犯罪歴がないかのチェックはもはや常識ともいえます。しかしこういった情報検索は、採用側の視点に立てば理解できないことはありませんが、犯罪歴のあるものにとっては、罪を償い更生をしようとしているのに、いつまでたっても過去の過ちに縛り付けられることになってしまいます。そこで今回は、逮捕、前科といった犯罪歴がある場合、そのネットニュースの削除方法についてご紹介します。

ソースが消えてもさまざまな場所で情報は残る

どのような理由があるにしろ、犯罪を犯してしまった以上、犯罪歴がない人に比べて不利益があることは仕方ないことだといえます。しかししっかりと罪を償ったにも関わらず、ネット上に情報が残り続けることでいつまでも再出発ができないとなれば、本人にとっても社会にとっても決してよいこととはいえません。

そしてネット上の情報が残り続けることで不利益となるのは、就職だけではありません。不動産会社で賃貸物件を探す時にもネットで情報を検索されます。またもし家族がいる場合は、本人だけではなく家族にも偏見の目が向けられることになります。

さらに問題なのは、犯罪を犯したものの情報がネット上のさまざまな場所で残り続けることです。一般的に新聞社などのサイトでは3ヶ月で記事が削除されます。しかし2ちゃんねるなどの掲示板サイト、SNS、個人のブログなどに情報が拡散されれば、そのニュースは永遠に消えることなく残ってしまうことになるのです。

削除容認は不起訴あるいは一定の年月の経過がポイント

さまざまな不利益を生み出すネット上に残る犯罪歴。これを解消するためには、情報が掲載されたサイトに削除依頼を出す必要があります。ただ犯罪関連のニュースを拡散するということは、拡散者にもそれなりの理由があるため、直接サイト運営者に削除要請をしても簡単に受け入れられることは難しいといえます。

そこで削除は弁護士など専門家を通じての要請をすることをおすすめします。一般的に犯罪に関するニュースなどのニュースを削除する場合、プライバシー権の侵害に基づいて行うこととなりますが、削除が認められるかどうかは犯罪の内容、そして罪を償ってからどれぐらいの年月が過ぎているかによって変わってきます。

仮に逮捕されたとしても結果的に不起訴になった場合は、削除要請が認められる可能性が高いようです。また起訴された場合でも罪を償ってからの年月は3年が基本となっています。ただし犯罪の内容によってはこの期間が5年、10年となるケースもあります。ほかにも被害者と示談が成立しているかどうかもポイントのひとつとなります。

検索サイトに要請しても削除は簡単ではない

上述したように犯罪に関するニ情報の削除は個人で行うことは困難なため、弁護士などの専門家に要請します。弁護士はどこまで情報が拡散しているかを調べたうえで、個々に削除要請を行っていきます。しかし、ネット上で拡散された情報は仮にすべて削除できたとしても、また別の場所で転載されるなど完全になくなることはまずあり得ません。そこで最終的には検索結果に情報が表示されないよう、検索サイトに削除要請をすることになります。

ただし、ここでも簡単に削除が認められるわけではありません。実際に2016年10月、Googleに対して会社経営の男性が検索結果の削除を求めた訴訟で東京地裁は「執行猶予期間後5年程度しかたっておらず、公共の関心も薄れたとはいえないため検索結果の表示には公共性がある」として男性の訴えを退けています。

ネット上でさまざまな情報が検索できる現在、もちろん犯罪の内容によりますが、過去の判例を見る限りでは、一回とはいえ犯罪を犯してしまえば、完全に消し去ることは非常に困難であるといえそうです。

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