注目を集める目的の炎上マーケティング

「炎上マーケティング」や「炎上商法」という言葉をご存じでしょうか?芸能人や有名人などがわざと批判が起こるような言動や行動をすることで注目を集め、認知度を上げる手法です。もちろんわざとではなく自分の意見を主張しただけで意図せず批判を浴びることもありますが、結果として認知度アップにはつながります。ビジネスの世界においても、炎上マーケティングを利用して自社の商品、サービスの認知度を上げようとする戦略を行う会社もあります。ただ、その策略が裏目に出ることも珍しくありません。

炎上マーケティングのメリットは認知度の向上

認知度や知名度をただ上げたいのであれば、炎上マーケティングや炎上商法といった手段は効果的だと言えます。ただ、ビジネスの場合は単に認知度を上げるだけではなく、売上につながられなければあまり意味がありません。そういった意味では、ビジネスにおいて炎上マーケティングを行うことは本当にメリットがあるのでしょうか?

炎上マーケティングを肯定派からすると、「嫌い」を「好き」にひっくり返すことはできても「無関心」を「好き」にはひっくり返せないという意見が出ます。確かにまったく知らなければ好きにも嫌いにもなることはできないという考え方は間違いではありません。まずは関心を持ってもらうためのきっかけに炎上マーケティングを利用するということも理に適っています。

また、大企業であれば広告宣伝費として多くの予算を割くことができますが、ほとんどの中小企業では、広告宣伝に潤沢な予算を使うことはできません。そのため、SNSなどを使い予算をかけずに認知度を上げるには、炎上マーケティングが一番、効率的で効果があるという結論に至ることも考えられます。しかし、それでも炎上マーケティングはおすすめできません。なぜなら認知度を上げるというメリット以上に大きなデメリットが存在するからです。

肝に銘じておくべき売上低下のリスク増大

炎上マーケティング肯定派の意見として「嫌い」を「好き」にひっくり返すことできると考えていますが、それはすべてがうまくいった場合の“理想論”であることを念頭に置く必要があります。現実問題として「嫌い」を「好き」にひっくり返そうとして、反対により嫌われてしまうということも十分に考えられるのです。むしろ、あえてマイナスな言動をすることで既存の顧客を失い、売上の低下を招くことも十分に考えられます。

芸能人や有名人といったエンターテインメントの世界では、炎上も“一つの芸”として捉えられることもあるかもしれません。しかし、互いの信頼関係で成り立っている一般的なビジネスの世界においては、一つの批判が両者の関係性にとって命取りになってしまうケースもあります。そして一度離れた顧客を取り戻すには、最初から「好き」になってもらうことに比べ、その数倍の手間暇を要すことになるのです。

つまり、あえて「嫌い」から「好き」に変えるような行動を取るよりは、初めから誠意ある対応に徹して良好な関係性を保つ方が得策と言えるでしょう。トラブルが発生し、嫌われてしまったところを好きまで挽回するのと、炎上マーケティングでわざと嫌われるのではまったく意味合いが違うことを肝に銘じておく必要があります。

どんな場合においても炎上は避けるべき

現在、ネット上の批判やいわれなき誹謗中傷によって売上低下やイメージダウンに苦しんでいる企業は星の数ほど存在します。ネット上に広まった情報が正しい、間違っているにかかわらず、一度染み込んでしまった悪いイメージをなかなか払しょくすることができず、場合によっては倒産、廃業に追い込まれるケースもあります。

評判が非常に重要であるビジネスシーンにおいて、ネットでの立ち振る舞いもわからないままに、とにかく認知度を上げたいという理由でわざと批判を浴びるような言動を取ることは、メリット以上にデメリットの方が大き過ぎます。特に炎上マーケティングを実践しようとする人は、メリットばかりに目が行き、デメリットについては考えていないケースがほとんどなのです。

そうした事情も踏まえると、炎上マーケティングを成功させるにはかなり綿密に計画を立てる必要があることがおわかりだと思います。そして、仮に功を奏したとしてもビジネスの成功につながるとは限りません。気軽に認知度を上げたいという理由で、炎上マーケティングを計画することは絶対に避けた方がよいでしょう。悪評が広まった後に公開したとしても、“後の祭り”になってしまいます。

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