SNSの投稿に潜む炎上の危険性

TwitterやFacebook、InstagramをはじめとするSNSの登場で、多くの人が気軽に自分の意見を表明したり、撮影した画像や動画を公開したりできるようになりました。そうした投稿がよい意味で拡散し、話題を呼ぶこともありますが、一方で「炎上」を引き起こし、投稿者が非難や中傷の的になることも少なくありません。また、ただ非難されるだけならまだしも、個人名やアカウント情報を晒されるなど実害を被るケースも。こうした事態に至らないために、私たちは日頃どのようなことに気をつけるべきでしょうか。

楽しいはずのSNSに端を発する悲劇

近年、爆発的な人気を誇り、若者を中心に必須のコミュニケーションツールとなりつつあるSNS (social networking service/ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。これまでは直接的なコミュニケーションでしか実現できなかった社会的な交流をWeb上のネットワークによって形成できる点がSNSの強みです。誰でも簡単にアカウントが持て、自由に利用できるため、多くのユーザーが愛用しています。

しかし、そのお手軽感からつい気が緩んでしまうと、配慮のない書き込みや画像投稿をしてしまいがち。
「バカッター」という言葉をご存じでしょうか? この言葉は2013年の流行語大賞にもノミネートされたインターネットスラングで、Twitterを使い、犯罪行為や悪ふざけ行為の画像や動画を投稿するものが後を絶たないことから、そうした行為の総称として作られた言葉です。

客として店員を罵倒し、土下座をさせる写真を投稿したことでそれを見たユーザーが警察に通報し強要容疑で逮捕され実刑判決となったり、コンビニのおでんをつつく動画を投稿した男が、威力業務妨害の疑いで逮捕されるなど多くの逮捕事例があります。

もちろんそうした行動を取るものは、普段から社会規範などを守らないものが大半です。投稿内容によっては実名や住所を特定され学生なら退学、社会人なら懲戒免職にされてしまうこともあるなど、たった1回の失言で多くのものを失ってしまうこともあるのです。

また、実は自分が直接、迷惑行為をしていなくとも、その行為を撮影したことで罪に問われることもあります。
例えば悪ノリで仲間の誰かが迷惑行為をしてしまった時にそれを撮影してSNSにアップすることです。自分がしたわけではないので問題ないと思っていても、それは大きな間違いです。

実際、前項の事例でご紹介したコンビニのおでんをつつく動画を撮影した女性も書類送検されています。もちろんSNSに投稿するしないに関係なく迷惑行為は絶対にしてはならないことなので、もし誰かが迷惑行為を働きそうになったらスマホを置いてすぐに止めさせましょう。

上記のような失言や迷惑行為、社会的モラルに反する行為を行った場合、炎上することは必然です。
炎上が起こると、それまで楽しんで利用していたSNSが一転して“悪魔のツール”と化します。ネットを見ること自体が地獄のように感じるようになり、精神的にも追い込まれていきます。また、先ほどご紹介したように人生に大きな影を落とすことにもつながりかねません。

文字のコミュニケーションが生む冷たい対応

ただ、SNSでの投稿がなぜこのような大きなトラブルを招いてしまうのでしょうか? その要因の一つとして考えられるのが、SNSが“文字によるコミュニケーション”を主体にしている点です。たとえばメールやメッセンジャーアプリでのやり取りを思い起こしてください。仕事でもプライベートでも、要件だけの手短な文面が届いたとしたら、それを読んでどのように感じるでしょうか? どこか“冷たい”印象を抱くことにつながりやすく、「何か気に障ることでもしたのだろうか」とつい勘ぐりたくなるかもしれません。

もちろん送り手にそんな意図があるケースの方がまれだと言えます。ただ要件だけを伝えたいだけで送ったつもりが、相手に違った印象を与えるケースは日常生活の中でもなんら珍しいことではありません。お互いを見知った仲でもそのような事態が起こりうるのに、顔も名前も性格も知らないような赤の他人に対してならなおさらです。2ちゃんねるなどの掲示板では、よくお互いを罵り合う場面が見受けられますが、相手の人柄を知らないだけに批判や指摘が厳しく、配慮を欠いたものになりがちになります。

ちょっとした注意が炎上の可能性を低くする

上述したように互いに見知った仲でも、文字だけに頼ったコミュニケーションでは誤解を生むこともあります。そういった意味では、古来の日本人は手紙に時候の挨拶や近況を知らせる一文などを加えて、できるだけ相手に配慮しようという意思を示すことを心がけていました。“昔の人の知恵”ではありませんが、メールやメッセージアプリでの連絡、SNSの投稿でもこうした気働きが利くかどうかで読み手の印象は大きく変わるはずです。

そして、何より大事なのは自らの発言に節度を持つこと。多くの読み手がディスプレイの向こう側にいるということを念頭に置いて、自分勝手な発言、過激な発言はなるべく慎むようにしましょう。そうすることで炎上という最悪の事態は回避できる可能性が上がります。まずはSNSの特性を把握したうえで、自身の振る舞いにも気を配ることが何より大切です。投稿する前に、「TweetDeck」のように投稿ボタンを押したときに確認表示を出せるようにできるアプリを使うことです。このアプリで100%防げるわけではありませんが、確認表示が出ることで一旦冷静になることができます。

ネット上での炎上には、必ずその原因となる火種があります。もしかしたら、その火種を作っているのは発言者である自分自身かもしれないということを心に留めおいてください。インターネットが爆発的に普及し、多くの情報が氾濫している現実社会における“処世術”としてはごく当たり前のことかもしれません。ただ、そうした基本を疎かにすることなく、どんな相手でもリスペクトを忘れない姿勢を持ってSNSでの投稿を楽しむようにしましょう。

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